記憶に残る人
一度しか会ったことがないにも関わらず、良い意味で記憶に残る人がいます。
そんな人になりたいな、と思いながら毎日の生活を送っています。
最近では、忙しさも手伝って、アメリカで英語のクラスをとっていた時に知り合った、ある人の事を思い出します。
名前も知らないその人は、クラスのグループワークで一度だけ一緒でした。
「やりたい事がありすぎて、寝るのが勿体ない」と話すその人のことを当時の私は新鮮に感じました。
英語クラスは、日本で言えば大学に入って初めての国語クラスのようなものです。
留学生にとっては、とてもハードルの高いクラスで、毎週のようにレポートか小論が課され、その間にテストも受けなければいけません。
英語のクラスをとっている3ヶ月間は、毎日寝不足になりながら小論を書いたり、試験の勉強に追われます。
「寝たいのに眠れない私」にとって、「寝るのが惜しい」というその人の言葉は本当に衝撃的でした。
今となっては自分の行動に笑ってしまうのですが、全く異なるその人の感覚に、クラスのテーマは早目に切り上げ、「なぜ?」「どうして?」「寝ずに何をしているんだい?」と根掘り葉掘り質問したのを覚えています。
そんな私が、今はやりたい事と、やるべき事の狭間で「寝るのが惜しい」状態です。
1日が36時間だったら…なんて本気で考えたりします。
40を前にしてようやく学生だった彼の境地に至ったような気がして、不思議な気持ちになります。
学生の頃からやりたい事を沢山見つけていた彼は、現在どのような暮らしをしているのだろうと時間に追われながらも彼の活躍を期待してみるのです。