授業参観(息子の場合)
私にとって、学校の授業参観は欠かせない行事になっています。
息子の小学校初めての授業参観が全ての始まりでした。
その日の授業は、切り紙を楽しむ内容だったのですが、息子は、ずっと絵を描く事に夢中でした。
先生がわかりやすい説明をした後、他の生徒さん達は次々と作品を仕上げていきます。
片や息子は、切り紙には全く興味を示さず脱線し続けます。先生の説明すら聞いていないのです。
先生が根気よく、「こうして折って、ここを切るんだよ」と折り紙を折り切る場所まで教えてくれるのですが、それをわざわざ広げて、再び折り紙の上に絵を描き始めます。
その先生と息子とのやり取りは3回ほど続き、授業は終了しました。
「いつもこんな感じですか?」と先生に尋ねると、1週間の授業で6割はそうだと言われます。
元々、息子は小学校の情緒通級指導教室を勧められていました。
息子の特性は一見すると見えづらく、周囲からの理解やサポートが得られにくいため、不登校や引きこもりにつながりやすいという理由からでした。
勧められるままに通級指導教室へ申し込みはしたものの、入学前の審査で落ちていました。
きっと、通常クラスでも大丈夫と判断されたんだろうと安心しきっていた私です。
参観日初日の衝撃は凄まじいものでした。笑
この日から、息子への学習支援と学校生活をサポートする取り組みが始まります。
こだわりが強いため、学習方法や集団生活には少し息子に合わせた配慮や工夫が必要でした。
息子が学校生活で感じる難しさ、しんどさを少しずつ紐解きながら、ストレスの軽減に繋げていきます。
学年が上がるごとに、学校へは足が向くようになっていき、現在のクラスになってからは、仲の良いクラスメイトと先生に恵まれ、ストレスフリーで以前よりは登校できていると感じるようになっていました。
息子の成長を感じながら、「もう大丈夫かな」と思っていた矢先、「今が1番しんどいんよ。」と息子から話を聞きます。
「えー!?」という衝撃が再び走りました。笑
「なぜ??」という思いで息子の話に耳を傾けると、進級してから、新しい科目が四つ増えたことで、準備や片付けの手順を覚えることができず困っているというのです。
情報処理が苦手な息子のもっともらしい理由を聞いて、納得できました。
息子は毎日行う事であっても、一つ一つメモをみて準備をしないと忘れてしまいます。習慣化しずらいのです。
今、何をすべき時なのか、何を準備したらいいのか、なかなか覚えることができません。できるようになるまで、人よりもずいぶんと時間がかかります。
周囲の空気や流れも読まないため、周りが何をしていようとも、気にしません。
学校の授業中ですら、自分の興味を持った目の前のことにひたすら没頭し続けます。
注意を受けるまでは、自分が人と違うことをしていることすら気づきません。
指示も一度の声かけで一つずつという配慮が必要ですし、体をポンポンと叩き、目を合わせてから話すようにしないと、自分に話しかけられていると思わず、話を聞いていないことが多々あります。
コロナ禍で授業参観も中止になり、今年は希望してまで参観をしなくてもいいだろうと思っていましたが、再び先生と話し合い、本人の苦手と感じている科目の授業参観を再開しています。
見られているにも関わらず、毎回、私の存在を忘れて授業から脱線する息子に衝撃をうけるのですが、息子の参観もまだまだ続きそうだと、観念している今日この頃です。