祈る思い②
今年は新型コロナウィルスのこともあり、アメリカでお世話になった方々を思い出すことが増えました。ロックダウン中の生活は大丈夫かな? 飲食店を経営されていたり、飲食店で働いていた人たちは大丈夫かな…と気になります。
結婚と子育てを機にお世話になった方々との連絡は途絶えてしまってるのですが、どうしているだろうと、ふと考えてしまいます。
困っていると必ず誰かが助けてくれた、留学生活でした。
ろくに英語を話せない私を、勢いに押されて雇ってくれた方。
車社会のアメリカで車の無い生活をしていましたが、クラスのフィールドトリップで遠方まで行かなければならない時も毎回誰かしら車に乗せてくれました。
一緒に働いていた中国人の男性は、娘のように可愛がってくれ、よく美味しい中国料理を食べに連れていってくれました。
化粧っ気のない私を心配してショッピングモールへ連れ出し、ブランドの化粧品をひと通り買い与えてくれた同僚もいました。(苦笑)
大量の英作文を添削してくれたお友達。
息子さんの大学の卒業式に参加するついでに、友人と私を連れてサンフランシスコへ連れていってくださった方。 その方は近くのヨセミテ国立公園に寄ってくださり、アメリカならではの大自然に触れる機会をくださいました。
登山最終地点のハーフドームのてっぺんまで登ることを拒否する私に、「人生には一歩踏み出す勇気が必要な時が必ずある。今、自分の恐怖に打ち勝ち、一歩を踏み出しなさい」と高所恐怖症の私を30分も説得してくれました。
登らなければ決して見ることのなかった雄大な景色を見る事ができたのもその方のお陰です。
金銭的に余裕がなく、勉強と仕事ばかりしていた私が、同期の日本人留学生たちとは少し違ったユニークな経験ができたのも、恩人たちのお陰です。
もうここでは、書ききれないくらい、どれ程多くの方々に救われたでしょう。
日本の大学で学んでいたら、年頃なりの恋愛や遊びを経験していたのかなと、日本の学生さんに憧れたこともありましたが、海外で沢山の失敗や後悔を挽回しようと、がむしゃらになれたからこそ、代え難い人たちとのご縁に繋がった気もします。
何もお返しができないまま帰国し、一度も留学先へ戻ってご挨拶することができていません。
もう20年近く経ってしまった今、御高齢になられている方もいます。
どのようにお過ごしだろう。
新型コロナの終息が見えない中、祈る思いで友人や恩人たちのことに想いを馳せています。